【小阪裕司コラム第108話】同梱チラシでの絆作り

【小阪裕司コラム第108話】同梱チラシでの絆作り

カテゴリ:小阪裕司の「人の心と行動の科学」で商売を学ぶ

【小阪裕司コラム第108話】同梱チラシでの絆作り

前回、ワクワク系(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を、われわれはそう呼んでいる)の米屋さんが、領収証を活用してお客さんとの絆作りを行っている事例をお話しした。今回も引き続き、日常業務の中のささやかなものを活用して絆作りを行っている例をお話ししよう。今回は、通販会社における同梱チラシだ。

「同梱チラシ」とは、お客さんが購入した商品を送る際、その箱の中に一緒に入れる印刷物のこと。同梱されているので、送るコストは必要ない。また、箱の中身はお客さんが買ったものなので、開封率も100%。店主は、ワクワク系を学び実践していくなかで、これを活かさない手はないと思うようになった。

とはいえ、何をどう作成していいのか分からない。そこで他の会員の先行事例などを参考にしながら作り始め、A4サイズの紙に両面印刷、2つ折りにした4ページのチラシを作ることができた。早速同梱を始めると、お客さんからは早々に反応が。開始直後からレビューやメールで「お店の紹介のペーパーが好感持てました」「ファンになりました」「面白かったです」「応援しています」といったたくさんのメッセージが届くようになった。「ワクワク系を実践する前では考えられなかった反応」だと店主は言う。

そこで、具体的な中身をひとつ紹介したい。どんなことを書いたチラシがそんな反応を呼び、お客さんを一気にファンにしていくのか。そのチラシを見ると、店主の顔写真と共に「『お魚』と『プロ野球』が大好きな店長の〇〇(名前)です。美味しいもの食べ歩き(とくにお魚)が大好きですが~」と自己紹介が綴られていくが、特に目を引くのは中面の「〇〇店長に何でも聞いてみよう」のコーナーだ。4ページのうちの1ページが割かれたその紙面に載っているQ&Aは2つ。その1つは「一番好きな魚は何ですか?」。そして答えは「カワハギ」だ。言い添えておくが、同店は魚の店ではない。しかしこのページは、先のお客さんの好反応の決め手となっただろう。

前回も言ったが、絆作りとは単なるテクニックではない。ゆえに、一見ささやかなことでも、人の心と態度を変える。そしてこの同梱チラシでは、1ページ目の自己紹介とそれに呼応した魚の質問が決め手だが、あなたはそこにどんな法則が働いていると思うだろうか? こういうことをよく知り、日常業務の中に入れ込んでいくこと。それが大切なことなのである。

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