【メンテナンスショップレポート⑱】12ヶ月点検の入庫について

【メンテナンスショップレポート⑱】12ヶ月点検の入庫について

カテゴリ:整備収益増大, 關友信の車販取り組みのための基礎工事

【メンテナンスショップレポート⑱】12ヶ月点検の入庫について

皆様の工場では、12ヶ月点検の入庫状況はいかがだろうか。

 前回、整備工場の車販に「顧客接点強化」が重要であることを書いた。顧客との絆を深めるためには、年に1回の車検入庫以外で、いかに顧客との接点を持てるか?ということに取り組む必要がある。そのバロメーターの一つが12ヶ月点検だ。車検や点検はウォンツ商品(買いたい商品)ではなく、ニーズ商品(買わなくてはならない商品)のため、「できるだけ安く済ませたい」「できればやりたくない」と考える顧客が多い。車検とは違い罰則のない12ヶ月点検ではなおさらだ。そのため、自社のメリットを明確に打ち出し、他社と差別化を図ることが重要である。

 今回ご紹介するのは新潟県の整備工場の事例だ。地元密着で長年顧客に愛されている整備工場で、基盤顧客台数は3500台、車検台数は約1400台/年である。この整備工場が車販増大を目指し、まず取り組んだのが車検と12ヶ月点検の入庫増大であるが、驚くことに取り組みを開始してわずか2年間で、車検台数は124%12ヶ月点検は334%と大きく増大している。
※入庫台数実績

◆車検

2020年4月~2021年3月 1296台
2022年4月~2023年3月 1617台(124%)

◆12ヶ月点検

2020年4月~2021年3月 276台
2022年4月~2023年3月 922台(334%)

なぜこの整備工場様がこんな大きな成果を出すことができたのか?
その秘密は、自社の顧客に対し発送する「案内ハガキ」の内容を変えたことにある。

 まずは車検や点検の商品力を高めるために、付帯するサービスの内容を見直した。それまでの車検や点検では、「自社のメリット」が弱いため、洗車やタイヤコート、室内クリーニングなどをパックにして商品力を高めた。実は、これまでも洗車や内装掃除は行っていたが、より品質を高め、洗車は撥水コート付、内装も簡易消臭や抗菌コートを追加した。また、案内ハガキについても、それまではただ点検時期を案内するだけの内容だったが、これらのサービスを魅力的に打ち出して、お得感のあるパック商品に仕立て上げた。

そしてもう一つ取り組んだのが、来店特典の導入だ。

 当初は来店いただく顧客に来店プレゼントを差し上げようと考えていたが、もっと顧客に喜んでいただきたいという想いから『ジャンボガラポン』を導入した。これは、顧客の来店時にガラポンを回してもらい、出た玉の色に応じて豪華景品をプレゼントするというものだが、そのガラポンが直径約1メートルと異常に大きい。顧客としては、当たった時の嬉しさや楽しさを味わうことができるだけでなく、日常でそんな大きなガラポンを回する体験はなかなかないので、非日常感を味わうことができ心に残る。当たれればもちろん嬉しいし、外れたとしてもティッシュ2箱差し上げるので、かなり喜ばれるとのことだ。大事なのは普段体験できないようなことや楽しいことを体験いただく、そんな仕掛けをつくることである。

 この整備工場では、2つの取り組みによって、車検・12ヶ月点検ともに大幅な増大を実現しただけでなく、車販の推進のための足がかりをつくることができた。

ぜひ、この事例を参考に見直していただきたい。

關友信

常務取締役 關 友信 Seki Tomonobu

損害保険会社の営業社員から独立しプロ代理店を経営、その後、自動車販売店での企業を目指し、直営店に入社する。販売店の現場で買取査定や販売業務を経験し、直営店の店長やエリア統括マネージャーとして活躍する。2006年に愛車広場カーリンクのチェーン展開を開始したのと同時に、カーリンク基礎研修の開発に着手、カーリンクチェーンの研修チームを統括する。その後も直営店の出張査定センターのマネジメントやディーラーコンサルティングなど、幅広く様々な仕事を経験、2014年からはCaSSの会員制度を立ち上げ、会員向けのサービスや企画を開発。

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