【メンテナンスショップレポート⑲】「基盤買取」のすすめ
カテゴリ:整備収益増大, 關友信の車販取り組みのための基礎工事
【メンテナンスショップレポート⑲】「基盤買取」のすすめ
今回は、基盤顧客の代替えを促進する具体的な手法として、「買取」を切り口としたアプローチ手法をご紹介したい。この連載では、車販を強化するにあたり、自社の基盤客の代替を推進することを最優先すべきとお伝えしているが、車検や整備で長年自社を利用いただいているお客様でも「他社で代替してしまう…」といったケースは多いはずだ。
このようなお客様に自社で代替いただくことこそが、顧客流出を防ぎ、基盤収益を最大化することにつながるのだが、新車のリースや中古車の品揃え強化などで商品力を強化しても、なかなか代替案件を発掘できていない店舗も多い。
では、お客様の代替需要を発掘するために、どのような手法が効果があるのだろうか。当社にはたくさんの発掘ノウハウがあるが、まず初めに試していただきたいのが、買取のアプローチだ。車検やオイル交換や整備などで長年繋がっていても、車を乗り換えるまでに至っていない、そのようなお客様の心理ではどう言った事が起きているだろうか?
「車検はなじみの〇〇モータースさんにお任せしているけど、新車を買うのはディーラーが当たり前。」とか、「中古車を買うのなら、色んな車を見て買える大型店で買いたい。」とか、こんなふうに思っている方も少なくはないはずだ。また、長くお付き合いしているけど「新車や中古車を販売している事は知らなかった」というお客様も多かったりする。
そのため、いつの間にか、知らぬ間に他店で車を購入してしまう。ということが起きる。こういったお客様に対して、「うちでも新車も中古車も扱っていますから、次のお車は任せてくださいよ。」とか、「今度新しい軽自動車が発売されましたので、ぜひ検討してみませんか。」といった販売のアプローチ、実は効果が高くない。もちろん、アプローチしないよりははるかに良いと思うが、やはりこの店で車を買うことを検討していないお客様に対しては、抵抗感があったり、ハードルが高いアプローチになってしまう。
こういったときに、「車を売ってください。」という買取のアプローチはお客様に受け入れられやすい。例えば、「今までずっと整備や車検で扱わせていただいて整備履歴も把握できているので、必ず高く買い取りしますよ。」とか「乗り換えの際は査定でお役に立てると思いますので、お声がけくださいね。」こういった事を、普段の入庫の際から話したり、車検の数ヶ月前にアプローチしたり、年式や車種を絞って買取のDMを発送したりすることで、買取の案件から車販の案件を発掘する事ができる。
もちろん、この買取アプローチは、代替需要を発掘することが目的なので、買取して終わるのではなく、新車や中古車の販売につなげていただくことが大切だ。買取の商談が発生した際には、しっかりとお客様の乗り換えニーズを確認し、お客様のカーライフに寄り添った提案をしていただきたい。
ぜひ、この買取切り口のアプローチを活用し、基盤顧客の代替えにつなげていただければと思う。
常務取締役 關 友信 Seki Tomonobu
損害保険会社の営業社員から独立しプロ代理店を経営、その後、自動車販売店での企業を目指し、直営店に入社する。販売店の現場で買取査定や販売業務を経験し、直営店の店長やエリア統括マネージャーとして活躍する。2006年に愛車広場カーリンクのチェーン展開を開始したのと同時に、カーリンク基礎研修の開発に着手、カーリンクチェーンの研修チームを統括する。その後も直営店の出張査定センターのマネジメントやディーラーコンサルティングなど、幅広く様々な仕事を経験、2014年からはCaSSの会員制度を立ち上げ、会員向けのサービスや企画を開発。
チームエルの顧客接点体系づくり ➡ DM発送代行サービス「キズナエール」好評展開中
チームエルのDM発送代行サービス「キズナエール」では、自動車保険の満期情報をクラウドシステムに入力すると、来店を促すDMを満期日の2ケ月前に自動的に発送しますので、新規自動車保険を獲得する仕組みを構築することができます。ご関心がある方は「キズナエールオンライン説明会」にご参加ください。
[DM発送代行サービス「キズナエール」のご紹介]
おすすめの関連記事
-
【メンテナンスショップレポート⑱】12ヶ月点検の入庫について
カテゴリ : 整備収益増大, 關友信の車販取り組みのための基礎工事皆様の工場では、12ヶ月点検の入庫状況はいかがだろうか。 前回、整備工場の車販に「顧客接点強化」が重要であることを書いた。顧客との絆を深めるためには、年に1回の車検入庫以外で、いかに顧客との接点を持てるか?ということに...
-
【メンテナンスショップレポート⑰】顧客接点強化の重要性とは
カテゴリ : 整備収益増大, 關友信の車販取り組みのための基礎工事整備工場の車販で、まず初めにやるべきは「自社客の代替促進」であることを前回で書いた。その際に重要なのが、「顧客接点強化」である。2年に1回の車検入庫以外で、いかに顧客との接点を持てるか?ということに取り組む必要がある。...
-
【メンテナンスショップレポート⑯】自動車保険獲得の重要性
カテゴリ : 整備収益増大, 關友信の車販取り組みのための基礎工事整備業の車販は一足飛びには進まない。車販推進の前に基盤顧客との接点強化が必要なことをこれまでの連載で何度か書かせていただいた。 今回は、顧客接点の一つとして、自動車保険に注目してみたい。 自動車保険も基盤客との大事な...
-
【メンテナンスショップレポート⑮】12ヶ月点検の入庫率について
カテゴリ : 整備収益増大, 關友信の車販取り組みのための基礎工事皆様の工場では、12ヶ月点検の入庫状況はいかがだろうか。 前回、整備工場の車販に「顧客接点強化」が重要であることを書いた。顧客との絆を深めるためには、年に1回の車検入庫以外で、いかに顧客との接点を持てるか?ということ...