【小阪裕司コラム第141話】その手紙は会社に何をもたらすか

【小阪裕司コラム第141話】その手紙は会社に何をもたらすか

カテゴリ:小阪裕司の「人の心と行動の科学」で商売を学ぶ

【小阪裕司コラム第141話】その手紙は会社に何をもたらすか

前回、「ワクワク系は科学である」ゆえんとしての再現性のお話をした。

その事例として、ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の、紙製品卸売り業にお客さんからファンレターが来たお話も。

同社三代目からいただいたご報告にはもうひとつ、ここで分かち合いたい大切なことが書かれていた。

今日はそのお話を。

それは、このファンレターを社内で回覧したことだ。

回覧時に感想も書いてもらうよう促すと、社内からはこんな声が寄せられた。

・(以前の)売りっぱなしよりもやりがいを感じる

・お客様からのお手紙を手にしてこんなにも大きな喜びや心が温まる体験をさせていただき本当に幸せに思いました。励みになりより一層頑張ります。

・反応が来るとモチベーションになるので手間をかけて一言書き続ける

これらの感想を読むと、このファンレターが社員らの気持ちを高めていることが分かる。

三代目も、「社内でも心温まるメッセージを書いてくれ、ワクワク系を会社として実践して良かったなと思いました」と語る。

お客さんからの温かい言葉やお手紙などの反応——それは社員たちの心に火を灯す。

最近報告をいただいた別の会社、その会社も最近お客さんからお手紙をもらったのだが、店長からの報告書には「一番嬉しかったことは、お手紙をいただいたことです」とあった。

「涙、涙、でした」とも。

そして彼女らもまた、以前にも増して意欲的に仕事に取り組んでいる。

三代目からの報告に戻るが、同社でもお客さんから手紙が来たことで、社内が大いに盛り上がったとある。

そうして社内が盛り上がることによって、ワクワク系の実践も進むし、業績も上がる。

何より社員が育ち、仕事が愉しくなる。

そういう善循環が起きることが会社の未来を変えていく。

三代目からの報告書の締めには、その「未来」を感じさせる次の言葉があった。

「確実にリピートしてくれるお客様が増えており、ワクワク系マーケティング実践を社内で先行して始めたネットの受注数は2倍弱になりました。

この結果を踏まえてネット以外の既存のお客様にも請求書に一言やニュースレターを同封するようになり、会社として全体で取り組むことができたので2022年も楽しみです」。

小阪裕司

小阪裕司 オラクルひと・しくみ研究所代表 博士(情報学)

山口大学(美学専攻)を卒業後、大手小売業、広告代理店を経て、1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。 新規事業企画・実現可能性検証など数々の大手企業プロジェクトを手掛ける。 また、「人の感性と行動」を軸にしたビジネス理論と実践手法を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。 現在、全都道府県と海外から約1500社が参加。 22年を超える活動で、価格競争をしない・立地や業種・規模を問わない1万数千件の成果実例を生み出している。

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