【小阪裕司コラム第89話】禍に負けない事業所になるには

【小阪裕司コラム第89話】禍に負けない事業所になるには

カテゴリ:小阪裕司の「人の心と行動の科学」で商売を学ぶ

【小阪裕司コラム第89話】禍に負けない事業所になるには

ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員のある店から、「コロナに負けない事業所応援事業」の補助金申請の顛末をご報告いただいた。

これがなかなかに興味深く示唆に富んだ話ゆえ、今日はあなたと分かち合いたい。

店主がその補助金を申請したのは昨秋のこと。 この補助金を、例年行っているクリスマスイルミネーションを一層盛大に行うために活用したいと申請した。

しかし受け付けた担当者いわく「そんな使い方は誰もしない」とのこと。 みな、「即効性のあるチラシやクーポン、感染対策用品やテイクアウトの容器代」などに利用するのだという。 「売上に直接返って来なくちゃ意味ないじゃないですか」とその方はおっしゃった。一理ある。

だが、「チラシやクーポン、感染対策用品、容器代」に補助金を「活用」したところで、それだけでは「コロナに負けない事業所」にはなれない。

なぜなら、コロナに負けない事業所になるためには、多くの人に存在を知られ、自社・自店の商品・サービスを利用してもらい、その上で顧客として利用し続けてもらうこと。
そういう「顧客」を増やすことこそが要だからだ。

一方、この店主が申請したクリスマスイルミネーションはどうだろう。
もちろん、イルミネーションさえ豪華にすれば、たちまち多くの人に知られ、店が利用され、顧客が増えていくわけではない。

しかしこのイルミネーションを上手に活用すれば、顧客を増やすことにつながる。

また、そもそも今回の申請の狙いは、単にイルミネーションを豪華にすることではなかった。
店主によれば、このコロナ禍にあって「イルミネーションを使って、町の人々に笑顔になっていただく ・心を温めていただくことが目的」であり、そのことによって「自店の価値を上げて、 よりお客様にとって必要な存在価値を高め、将来の売上につなげることが目的であり効果」だったのだ。

果たしてこの申請、結果は無事受理された。

店主が、その後のやり取りで熱心にこれらの思いや狙いを伝えたところ、担当者が「そういう考えもあるんですね。勉強になりました」と前向きに取り組んでくれ、結果この冬、同店の豪華なイルミネーションは実現し、「元気をもらっている」「仕事帰りに見て癒される」など、町の人たちの多くのお声もいただいた。

繰り返すが、コロナ禍のような思いがけない災禍にも負けない事業所になるには、「顧客を増やす」こと、それを実現できる力をつけることが要なのである。

小阪裕司

小阪裕司 オラクルひと・しくみ研究所代表 博士(情報学)

山口大学(美学専攻)を卒業後、大手小売業、広告代理店を経て、1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。 新規事業企画・実現可能性検証など数々の大手企業プロジェクトを手掛ける。 また、「人の感性と行動」を軸にしたビジネス理論と実践手法を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。 現在、全都道府県と海外から約1500社が参加。 22年を超える活動で、価格競争をしない・立地や業種・規模を問わない1万数千件の成果実例を生み出している。

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