【メンテナンスショップレポート⑤】最適な顧客接点体系を考えよう
カテゴリ:整備収益増大
【メンテナンスショップレポート⑤】最適な顧客接点体系を考えよう
ある整備工場では、入庫促進のための顧客フォローDMにより、
取り組み前と比べ、1.4倍の利益UPに成功いたしました。
さて、この整備工場では、どんな取り組みを行ったのでしょう。
このコラムでは、このある取り組みをご紹介します。
この会社の成果
経営規模
・社員数 : 4名(フロント1名、整備士3名)
・基盤顧客数 : 1500名
・車検 : 600台/年
サービス収益
取り組み前 月411万円
1年目 月454万円(43万円⤴)
2年目 月490万円(36万円⤴)
3年目 月586万円(96万円⤴)
月411万円であったサービス収益は、
3年目の2-3月の繁盛期の実績が入っていないにも関わらず、
586万円(約1.4倍)にまで増大しています。
実はこの整備工場が行った取り組みはたった2つだけです。
この2つの取り組みをご紹介します。
顧客フォローDMの見直し
改善活動を行う前は、車検は3ヶ月前から入庫案内を始め、
年1回の法定点検は案内DMを発送していました。
この接点体系を根本的に見直しました。基本的な考え方は顧客接点の増大です。
車検から次の車検までの2年間、いかに多頻度で接点を作れるかが大切になります。
まずは、自社を初めて利用いただいた新規客のフォローを手厚くしました。
付き合いが始まった初期段階の接触頻度を多く持つことで、
今後の継続的な入庫につなげることができるようになります。
下記の図は、改善後の接触回数になります。
起算日 | タイミング | 目的 | |
---|---|---|---|
クルマ購入フォロー | 登録日 | 7日後 1ヶ月後 3ヶ月後 6ヶ月後 | 購入御礼 無料点検案内 特別点検案内 無料点検案内 |
サービス新規フォロー | 入庫日 | 7日後 1ヶ月後 3ヶ月後 | 入庫御礼 調子伺い 特別点検案内 |
点検フォロー | 車検日 | 18・30ヶ月前 12・24ヶ月前 | 6ヶ月点検案内 12ヶ月点検案内 |
車検フォロー | 車検日 | 9ヶ月前 6ヶ月前 4.5ヶ月前 3ヶ月前 2ヶ月前 1ヶ月前 | 買取訴求 早割車検案内 早割車検案内 早割車検案内 重要車検案内 緊急車検案内 |
また、次の車検までの間を放置してしまっては、
代替どころか、次の車検入庫も危うくなってしまいます。
だからこそ、12ヶ月法定点検だけではなく、オイル交換の案内にも注力し、
6ヶ月ごとに入庫促進の案内を実施するようにした。
そして、車検は6ヶ月前からDM発送と案内コールを始め、
予約が獲得できるまでアプローチを徹底します。
これにより、車検3ヶ月前までの予約の比率が飛躍的に高まりました。
DM送付タイミングの見直し
多くの店舗がそうですが、この会社のDM送付タイミングも、
月に1回、対象のリストを抽出し、まとめて送付していました。
しかし、車検期日を起算日とした場合、
1日と31日のリストでは1ヶ月もズレが生じることになります。
顧客によっては、的外れな案内となることもあります。
そこで、取り組みを開始してからは、週に1回、
リストを抽出して送付するルールを導入しました。
これにより正確なタイミングでフォローができるようになりました。
さらに、案内コールも促進されました。
これまでは、1ヶ月分まとめてリストを渡されるため、
コールをするつもりがあっても、そのボリュームからつい後回しになり、
結局やり切れず、翌月のリストが来てしまうということが繰り返されていました。
1週間分のリストが渡されるようになったことで、今日やるべき対象が明確になり、
行動計画も立てやすくなり、コール活動が飛躍的に進みました。
おわりに
今回の事例で、成果につながったポイントは2つである。
①接点体系を組みなおし、顧客との接触頻度を増大
②最適なタイミングでDMを発送することで、案内コールを徹底
基盤顧客の離脱防止が実現できていない中では、
新規獲得策を推進しても、顧客を増やすことは難しいです。
基盤顧客の離脱防止する仕組みが構築できていれば、
新規客の獲得により、さらなる顧客増大を実現できます。
ぜひ、今後の収益増大、また安定経営のために、
取り組んでいただきたいと思います。
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