【メンテナンスショップレポート⑦】下取や買取の利益を4倍増する

【メンテナンスショップレポート⑦】下取や買取の利益を4倍増する

カテゴリ:整備収益増大

【メンテナンスショップレポート⑦】下取や買取の利益を4倍増する

前回は、買取のアプローチを紹介させていただいた。車販認知が弱い整備工場にとって、「整備工場だからこそ高く買い取れる」という買取の切り口が車販案件の発掘にとても有効であるという話だった。

一方で、「買取は苦手」「査定や買取車の売却に自信がない…」といった方も多い。しかし、買取や下取で入庫した車両の販売力を身に付けることは非常に有効である。事実、車販でなかなか収益が上がらないとお悩みの企業が、買取・下取に取り組んで高収益をあげた例は多い。今回は、とある整備工場の例を紹介したい。

古くから地元密着で運営しているこの工場、車検台数は800台/年、車販は120台/年ほどである。2008年ごろから残価クレジットやマイカーリースを導入し、新車販売を推進してきたが、ここのところ、販売台数は頭打ちとなっていた。そこで、もっと販売台数を増やしたいと相談をいただいたが、販売台数よりも気になることがあった。販売台数のわりに車販の利益が少ないのである。詳しく分析してみると下取車の利益が全く取れていなかった。この工場では、下取で入庫した車両をオークションを利用せず、近隣業者に全て業販していたのである。平均の業販粗利は3万円程度しか取れていなかった。

この整備工場の社長がオークションを利用しない理由は、「オークションに苦手意識がある」「査定ができず不安」「相場がわからず下取や買取の価格を判断できない」ということだったが、実はこの苦手意識で大きく利益を逃してしまっている。

例えば、この工場では、「10年落ちで走行距離10万km以上」「外装や内装の状態が悪い車両」などは、無条件に近隣業者に流してしまっていたが、一台一台、相場や最適販路を調べてみると、輸出の需要がありオークションで高額で取引されている車両も少なくはなかった。また、小売りの需要が高くオークションで競り合ってでも仕入れたい車両もあった。そこで、下取車の収益化に着手していないことは大きな利益損失であると考え、下取・買取の収益増大法を身に付けていただくこととした。

まずは、社長と社員様には、査定研修を受講いただいた。これにより、正確な評価点の基準を学び、修復歴を見逃さない自信をつけていただいた。保険会社などが開催する査定研修は大いに活用できる。また、下取や買取で入庫した車両を、自社でオークションに出品するようにした。単純に近隣の会場に出品するのではなく、車両の特性に合わせ出品する会場やコーナーを選定した。例えば、輸出に強い車両、国内の販売需要が大きい車両、雪道むけの4WD、バンやトラックなど、これらの特性に合わせ、最適な販路を選び出品した。どうしても販路がわからない車両は、チームエルの会員制度のオークションサポートを利用いただくこともあった。

さて、この整備工場の下取・買取車の平均利益はどれほど伸びただろうか。この取り組みの後、わずか半年足らずで、平均台粗利は13万円になった。1台10万円の増加、利益は4倍増である。これが年間100台なら1000万円の利益改善になる。

これには、実際に取り組んだ社長や社員様が一番驚かれていた。「低年式で多走行の下取車が多く、どうせ儲からない」「オークションなんて面倒だから業販で充分…」そんなふうに考えている経営者様こそ、ぜひお試しいただきたい。車販の集客を改善するより、はるかに収益アップの近道となるはずだ。

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