【メンテナンスショップレポート⑩】車販の台当たり利益を高める3つのポイント
カテゴリ:整備収益増大
【メンテナンスショップレポート⑩】車販の台当たり利益を高める3つのポイント
皆様の店舗では、車を販売した際の粗利はどの程度取れているだろうか。車販においては、台数を売ることも重要だが、それ以上に大切なのが「1台当たりの粗利を高めること」だ。どんなに台数を売っても、粗利が取れていなければ、とても残念な結果になってしまう。もちろん、新車と中古車、軽自動車と登録車などの違いはあるが、何を売るにしても安易な売り方は避けたいものだ。
台粗利改善のポイントは大きく3つある。
・1つ目は、価格設定である。
これは主に中古車の場合になるが、仕入れた車の価格を決める際には、近隣や競合となるエリアの小売店の小売価格を十分に調査し、最適な価格設定をすることが必要だ。具体的な方法としては、GOO-NETなどの中古車のポータルサイトで相場を調べていくが、高過ぎないだけではなく、安過ぎないことに気を付ける必要がある。特にGOO-NETなどに掲載して販売する際には、安すぎると粗利がとれないだけでなく、遠方のお客様に購入されてしまうという事も発生する。できることなら、近隣のお客様に購入いただき、その後のアフターサービスもご利用いただきながら、末永くお付き合いしたいものだ。ネット上の価格は、比較前提の安いものであるという認識に立ち、適正なプライシングを心がけたい。
・2つ目は、値引きをしないこと。
商談の際に、安易に値引きをしてしまって台粗利を下げているケースをよく見る。
値引きをしないためには、価格に自信を持ち値引きをしなくても充分に安価であることを伝えること、値引きを武器にクロージングをしないこと、粗利ルール(金額・決裁権)を設定し管理すること。 特に気を付けたいのは、社長や店長に「値引き癖」があると、皆が値引きをする様になるという事だ。複数展開するチェーンで、特定の店舗だけが決まって台粗利が低いということがよくあるが、管理者自らが値引きしていることが多い。値引きは「悪」と考え、自信をもって商談に臨みたい。
・3つ目は、クロスセルの提案をすることである。
クロスセルとは、周辺商材を提案して販売することだが、商談の際に、ナビやETC、ドラレコなどのカー用品、ボディコーティングや室内抗菌、自動車保険や中古車保証などの追加商材を提案し、購入いただく商品点数を増やすことが重要だ。
このクロスセルを行なうポイントは、提案ツールを事前に作り込むことである。ナビやETC、ドラレコなどのカー用品は、営業マンの知識や提案スキルにばらつきが出やすい。お勧めしたい商品をあらかじめ選択し「当店のお勧めカー用品」といった提案ツールを作っておくことで、提案品質を安定させることができる。さらには、それらをパック化し、価格帯ごとの「松竹梅」のプランを用意するのが理想的だ。ボディコーティングなども、プランをわかりやすく設定し、車種別に価格表を作っておくと良い。作るのは多少の手間がかかるが、一度作っておくと確実に成果につながる。自動車保険や中古車保証も、商談のどのタイミングで提案するのかを事前に決め、提案するのがルーティンとなるようにしたい。
ぜひ、販売台数を追いかけるだけでなく、台当たり粗利の向上にこだわってみていただきたい。
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