【堀越勝格の経営ノート】「3年後にわかってくれればいい」
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【堀越勝格の経営ノート】「3年後にわかってくれればいい」
「人材育成」は、経営者、あるいは管理者の立場の皆様には、永遠のテーマと言えるものですね。社員に対する指
導方法として、「厳しくすべきか、優しくすべきか、どちらがよいのか?」という質問をよく頂戴します。
その回答のひとつをご紹介しようと思いますが、その前に「人材」というものについて考えてみたいと思うのです。
そもそも人材というのは、「社会からの預かりもの」である、という認識を持つ必要があります。社員の皆さんが自社で働いてくれているということは、彼・彼女の人生の重要な一部を自社のために捧げてくれていると言えます。その方の人生は、その会社の環境や上司とのめぐり合わせによって「良くも」「悪くも」変化していきます。また、その方の向こうには何人かの「家族」もおり、そうしたすべての方の生活や人生もまた、「お預かりしている」と言えると思うのです。
会社という場所は、ある意味では、社員にとって数少ない、そして最高の「教育の場」と言えます。正しい教育を受
ければその社員は成長し、結果、収入も増えるかもしれません。何より、人生が充実したものになるでしょう。その逆で、正しい教育を受けられず、あるいは甘やかされてばかりいれば、その社員は結果的に成長が遅れ、収入増や人生の充実も手に入れられないことも考えられるのです。
我々自身も幼い頃から教えられてきたこと、すなわち、「ウソをつかない」「時間・約束を守る」といった人としての基本に始まり、「決めたことをやり切る」「責任をもって仕事をする」「チャレンジする」といった社会人としての行動規範など、社会人になっても教える、教育すべきことはたくさんあります。これらについて、社員と正面から向き合い、指導すること、これは「社会から人材を預かっている」経営者や管理者の立場なら、当然の義務だと思うのです。まさに人材が「人財」といわれるゆえんですね。
もちろんそういう指導の場では、時には厳しくせざるを得ないときもありますが、機嫌を取って「いい人」になるのではなく、今はその社員に嫌われるかもしれないけれど、「3年後に彼が成長したときにわかってくれればいい」という、「いい教育者」としての割り切りもまた、必要なことだと思うのです。その彼の人生のことを心から願っての指導であれば必ずわかってくれるときが来ると思いますし、そう信じて、社員の皆さんと接していきたいものです。
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