【堀越勝格の経営ノート】死に至る病

【堀越勝格の経営ノート】死に至る病

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【堀越勝格の経営ノート】死に至る病

人間における三大疾病(ガン・心筋梗塞・脳卒中)と同じように、企業経営にも命を蝕む病は存在します。


「変化を拒む」「共通の価値観がない」「危機感がない」「自己中心的」「感謝の気持ちが少ない」「社員同士の信頼関係が薄い」「自分たちに自信がない」「目標意識が低い」「ルールを守れない」「コンプライアンス意識の欠如」などなど・・・。これらはすべて、知らないうちに蔓延し、気づいた時には重病化している、といったことがよくあります。まさに、「死に至る病」です。


今回は、その中で「コンプライアンス意識の欠如」についてお話をしたいと思います。


日産の無資格者の完成検査問題、神戸製鋼のデータ改ざんなど、コンプライアンス抵触関連の記事が連日新聞
に掲載されていますね。2015年のフォルクスワーゲンから始まった燃費不正問題の数々もまだ記憶に新しく、また、自動車業界以外でも、食品衛生の問題なども目にする機会は多いと思います。


それらの不正の内容についてここで紙面を割くことはしませんが、こうした問題に共通するのは、組織全体がその不正を「悪いことだという認識が薄れている」「常態化している」ということなんですね。社会通念やルールなどではなく、組織内の理論によって、モノの「善悪」が判断され、その基準が外界と逸脱していく。怖いのは、「悪いことという認識が薄れている」ということです。そして、こういう問題が起きると、ときには経営の屋台骨を揺るがすことにもなりかねません。
しかしこういう問題というのは、生活習慣をなかなか改善できないのと同じように、「じゃあ、今日からコンプライアンスを徹底しよう」といきなり舵を切ろうとしても、すぐに組織風土というのは変わらない。これが難しいところです。


「コンプライアンス軽視」という悪しき生活習慣の積み重ねで、組織という体がむしばまれていき、症状が出てしまったときには手を付けられない状態になっているかもしれない。まさに「死に至る病」です。


組織構成員というのは、自分の上の人間の「普段の言動(言っていること、やっている行動)」を見て、その組織の
判断基準を無意識のうちに身につけていきます。ですから、組織のコンプライアンス意識を高め、そして高く保つには、とにもかくにもまずは「トップ」から徹底して意識、行動を見直し、厳然とした姿勢でコンプライアンス順守の行動を率先することが第一歩となるでしょう。

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