アフターフォローの強化で顧客離脱を防止する
滋賀県の整備工場で、ある取り組みを始めてからたった4か月間で
点検入庫車両が前年対比200%伸長するといった事例が生まれました。
さて、この整備工場では、どんな取り組みを行ったのでしょう。
このコラムでは、このある取り組みをご紹介します。
この会社の成果
経営規模
・社員数 : 5名(社長、営業、メカニック2名、事務)
・基盤顧客数 : 600名
※基盤顧客を中心に車販と整備が主な利益
・車両点検入庫台数
月30台⤴(28⇒58台)
・入庫率
月8%⤴(8⇒16%)
このようなとてつもない実績を出したのは、DMの内容にポイントがありました。
これまで点検入庫したことがなかったお客様がそのDMを持ってご来店されたり、
他店舗でオイル交換をされていたお客様が点検と一緒にオイル交換を実施されました。
そして「DMを見た」と言って、お電話をいだだくことも増えました。
顧客離脱の現実
6年程前から本格的に車販に取り組み、
新規のお客様にも販売ができているのですが、
顧客リストは6年間でほとんど増えていませんでした。
それは、新規で増えたお客様と同じだけのお客様が離脱されているということでした。
現状に強い危機感を覚え、顧客との接点を増やすために、点検案内を開始しました。
しかし、月に数台程度しか入ってきませんでした。
お客様にお送りしていたのは、12ヶ月法定点検のご案内のみでした。
一般的な盤面を、官製ハガキで送付していました。
2つの取り組み
1.DMの改善
まず、着手したのはお客様との接点であるDMの改善でした。
DMはお客様の手に取っていただかなければ始まりません。
官製ハガキでは目立たないため、他の広告に紛れてしまいます。
その結果、ゴミ箱行きとなってしまうことが多くあります。
そこでお客様の目に触れる機会を増やすため
官製ハガキよりもひと回り大きいA5サイズのDMを使いました。
2.提供するサービスの改善
次に重要なのは提供する商品そのものです。
12ヶ月点検の整備内容を伝えるだけでは、お客様の感情は動きません。
そこで、点検にプラスして洗車や室内清掃サービスなどを打ち出しました。
点検に行くと、愛車がピカピカになるというのはお客様にとって嬉しいメリットです。
これをDMで訴求することが重要になります。
店頭来店が増えるため、引取納車も少なくなります。
6ヶ月点検でも同様に顧客接点を維持するためには、このタイミングでの入庫が必要です。
そこで、半年ごとに実施するオイル交換を、前面に訴求する点検パックを作りました。
もちろん、洗車、室内清掃の愛車ピカピカサービスも必須です。
点検というものは、お客様にとっては欲しい商品ではありません。
だからこそ、お客様がワクワクできる商品やメニューを盛り込むことが重要なのです。
■6ヶ月点検DM | ■12ヶ月点検DM |
成功の要因
今回、改善したポイントは2つです。
①反応率の高まるA5サイズのDMを採用したこと
②お客様がこの整備工場に「行きたい」と思える商品・メニューを開発したこと
これらによって、今も点検入庫は増え続けています。
そして次の課題は、クルマ販売後のフォロー強化や
車検入庫率向上に向けたアプローチ策です。
顧客離脱防止を進めながら、次のステップである基盤顧客数の増大に向けて、
新規集客策にも取り組み始めました。
コンサルタントの視点
競争が激化する自動車業界における最も重要なことは顧客離脱防止です。
新規集客コストは、リピート集客の5~10倍かかると言われています。
新規集客に力を注ぐことはもちろん大切ですが、穴の空いたバケツと同じで、
まずは離脱する穴をふさがなければ、新規客を獲得してもまた離脱してしまいます。
また、アフターフォローはお客様が求めているサービスでもあります。
今回は取り組みの一部をご紹介させていただきました。
皆様の活動の一助になれば幸いです。