人が育つ!お客様感謝祭のススメ!

人が育つ!お客様感謝祭のススメ!

カテゴリ:人材育成, 経営コラム

人が育つ!お客様感謝祭のススメ!

(※このコラムは、2016年12月のマンスリーレポートに掲載されたものです。)

お客様感謝祭のススメ

皆様のお店では、基盤顧客向けの感謝祭イベントを実施されていますか?

私のお店では、年に1回「お客様感謝祭」を実施しており、つい先日も、11月12日、13日の土日に感謝祭を実施しました。
イベントというと大きくは、①新規向けの商談会等のイベントと、②基盤顧客向けの感謝祭イベントの2つがあると思いますが、ぜひ、基盤顧客向けの感謝祭イベントを実施されることをお勧めします。

理由は単純に、「お客様と仲良くなれる」からです。普段ご利用いただいているお客様とは、車の購入・売却に加え、点検や車検、修理等での来店がほとんどだと思いますが、その中で用がなくても遊びに来てくれるようなお客様はどれぐらいいらっしゃるでしょうか?おそらく、ほとんどいないのでは?

車屋さんは、飲食店やスーパーのように、気に入ればかなりの頻度で来店する類のお店ではありません。どれだけ気に入っていただいても、せいぜい数か月に1度、普通は半年~1年に一度です。
これではなかなかお客様と仲良くなれませんよね。しかも来店いただいても目的がはっきりしているため、どうしてもビジネスライクな話になりがちです。スタッフも、雑談だけで過ごしていると店長に怒られてしまいます。

だから、「お客様感謝祭」なのです。
「お客様感謝祭」にご来場いただければ、お客様とゆっくりとお話をすることができます。やはり、本当の意味での基盤顧客になっていただくには、仕事だけではないお付き合いも大事です。気心の知れたスタッフやお店とは付き合いたくなりますよね。様々な相談もしやすいというものです。

お客様感謝祭の実施方法

では、実際にお客様感謝祭を実施する方法を、私のお店を例に解説いたします。 お客様感謝祭を実施すると決めたら、とにかく事前の準備が大事です。できれば社長や店長が中心に、感謝祭実行委員会のようなものを立ち上げましょう。そしてチームミーディングを行い、集客するお客様リストの確認(ターゲット数の予測)とターゲット数に合わせた企画を検討します。

当社の場合、先日の感謝祭では、対象基盤数は約1,000件となっており、その中からエリア等の関係で絞り込んだ600件程度に招待状を送りました。招待状はできる限り開催の1か月前ぐらいにお客様宅に届くように発送します。当社は、A5サイズのハガキで通常のハガキに埋もれないようにしてお送りしました。
そのあとは、担当営業ごとに手分けして集客コールです。とにかく遊びに来ていただけるようにお願いしていきます。

企画は、自由な発想で毎年変えていますが、当店では、企画に一定の基準を設けています。

①毎年同じ目玉の企画は変えない
②ファミリー層に合わせ、小学生以下の子供が楽しめる企画を2つ入れる
③お店を、より知ってもらえる企画を必ず入れる
④おもてなしの飲食を必ず用意する
⑤商売っ気は出さない

という5つです。

①毎年同じ目玉の企画は変えない

当店の目玉企画は、野菜の詰め放題です。
来場すれば必ず野菜の詰め放題ができ、日頃の感謝の気持ちを込めて遠慮なく持って帰っていただきます。
野菜があるから来場いただけるお客様もいらっしゃるほど好評です。
こういった鉄板の企画があると必ず来場いただけるお客様が増えていきますし、最近では、お友達家族までたくさん連れてご来場いただけます。
もちろん、そのお連れ様も詰め放題です。
いつかお客様になってくれます。

②ファミリー層の来客に合わせて、小学生以下の子供が楽しめる企画を必ず2つ入れる

今年はポケモンGoが流行ったことから、ポケモンを捕まえるゲームをやりました。
子供向けのバスケットゴールにポケモンの絵を貼り付け、白いボールをモンスターボール(ポケモンを捕まえるボールです)のカラーリングに塗り替えたものを投げてもらって、入ったボールの数でおもちゃがもらえます。
これも子供たちには大人気でした。
さらに、粘土で作れるプルバックミニカーも用意し、女性スタッフが手伝ってあげながら店内で作ってもらいました。

③お店を、より知ってもらえる企画を必ず入れる

現在取り扱っている新しい商品や、新人スタッフの紹介などをクイズ形式にしてお客様にチャレンジいただきます。
もちろん、正解者には景品をプレゼント。
遊びながら当社のおすすめ商品やスタッフを覚えてもらえます。
クイズのヒントは、お店の色々なところに隠しておき、お客様に探していただきます。
そうすることで店内に人の流れができて展示場への誘導も可能になります。

④おもてなしの飲食を必ず用意する

今年は焼きそば、とん汁、フランクフルト、ポップコーンにソフトドリンクを用意しました。
もちろんすべて無料です。店内でゆっくり召し上がっていただきます。
お客様が召し上がってる横では担当スタッフが一緒にお話をさせていただきます。
話も盛り上がり、お客様の滞在時間も長くなります。
この滞在時間が長いことも「仲良くなる」ためには非常に重要です。単なるプレゼント企画等では、お客様は貰うものをもらったらすぐに帰ってしまいます。

⑤商売っ気は出さない

これも当店では重要なルールです。感謝祭は日頃のご愛顧に対する恩返しです。
ここでは、商談会のような売り込みや用品の即売会といったことは行いません。
あくまでもお客様に楽しんでいただくだけです。
売り込みがあるとわかると来場者数は一気に減ってしまいます。
これではお客様と仲良くなる目的が果たせません。

お客様感謝祭がお店にもたらす効果

お客様感謝祭を実施する最大の目的は「お客様と仲良くなる」ことです。 とにかく商売っ気抜きで、スタッフと一緒にクイズやゲームを楽しんでいただき、最大限のおもてなしをさせていただきます。 その場で車を売ったり、車検の予約を取る必要はありません。それでも一定数は車も売れますし、車検も予約が取れますが、大事なのは、とにかくお客様と仲良くなり、お店とスタッフに対して良い印象を高めてもらうことです。そうすることで今後の離脱可能性は低くなりますし、勝手に紹介も増えていきます。

さらに感謝祭の実施でプラスの効果がお店にもたらされます。それは、「人材が育ち、チーム力が向上する」ことです。 企画段階のミーティングに始まり、事前準備、当日のオペレーション、役割分担、おもてなしと、「お客様感謝祭」を成功に導くためには様々なチームビルドの要素が盛り込まれており、特にリーダーに求められるリーダーシップの向上には目を見張るものがあります。 お客様感謝祭にはコストもかかります(ちなみに当店では150組300名の集客で50万円です)が、「お客様と仲良くなれる」うえに 「人材が育ち、チーム力が向上する」ことを考えれば、大変安い投資だと思います。 当社では感謝祭を始めて5年ほどになりますが、店長のリーダーシップは飛躍的に向上しました。普段のチーム力も大きく向上しています。まさに一致団結する力が以前と大違いです。当然、普段の業務での効果は言わずもがなです。

基盤顧客の離脱や紹介件数の少なさにお悩みの経営者様、人材が育たない、チーム力が弱い、店長のリーダーシップが弱いと感じている経営者様には、是非、「お客様感謝祭」をおススメします。

執行役員 中尾 成寛

執行役員 中尾 成寛 Nakao Shigehiro

自動車買取専門店のスタッフとして活躍し、短期間で店長、マネージャーとキャリアを積み重ねる。
買取ビジネスから中古車小売、委託販売と所属組織のビジネスモデルが進展していく中、優れたリーダーシップを発揮し現場組織の店長、スタッフの指導を行い、数々の成功事例を創出する一方で、そのノウハウを標準化し横展開していく能力にも優れる。
自動車売買に関する現場実務に精通する一方で、販売店や営業スタッフの生産性を的確に分析し改善を進めるマネジメント力にも優れており、自動車業界のコンサルタントとしては稀有なタレントである。

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