【メンテナンスショップレポート㉑】「買取商談で失敗しないために」

【メンテナンスショップレポート㉑】「買取商談で失敗しないために」

カテゴリ:整備収益増大, 關友信の車販取り組みのための基礎工事

【メンテナンスショップレポート㉑】「買取商談で失敗しないために」

 買取や下取の商談が苦手だと考えている人は意外と多い。お客様に喜んでもらおうと考えるあまり、つい高すぎる金額を提示してしまったり、利益を確保しようとして金額が折り合わないといったことがある。特に整備工場では、古くからのお付き合いのお客様が多く、喜んでもらおうと思うあまり、高買いの傾向が強いようだ。買取や下取の商談では、お客様に喜んでいただきながらも、「適正な金額で仕入れる商談」が必要だ。

買取商談で最も重要なこと、それは「希望金額を聞く」ことである。

 お客様が、「いくらなら喜んでくれるのかのか?」これを確認することで、商談の進め方は一変する。とある整備業の社長が、古くから付き合いのある高齢のお客様から、代替えの相談をいただいた。「生涯最後の車になるかもしれないから良い車を探してほしい」ということで、奮発してクラウンをご購入いただくになった。そのように次の車はすんなり決まったのだが、実は社長が気がかりなのは、今お乗りの車の下取金額だった。当然、その車も社長から買っていただいたものだったが、下取の車は人気がなく、走行距離も多く、オークションでもほとんど金額がつかないものだった。

 しかし社長は、お客様が毎週手洗いで洗車をするほど大切にしていることを知っていたため、「当然、下取の車も高く取ってくれるんだろう」と言われるだろうとビクビクしていたのだ。クラウンの商談が終わりかけたその時、お客様から「おれの車はいくらになるんだい?」という質問が思い出したようにあった。唐突に聞かれた社長は、つい頭が真っ白になって、「15万円では買わせていただきます!」と口走ってしまった。

オークションでも数万円にしかならないこの車を15万円で下取ると、確実に赤字となる。

 後に聞いたところ、社長も、自分でもなぜその時そんな金額を口走ってしまったかわからないとのことだった。しかし、社長が後悔したのは、15万円と伝えてしまったことではなく、そのお客様の反応だったそうだ。社長の金額提示へのお客様のセリフは、「え?そんなに金額つくんだ。もう古いから金額はつかないと思ってたよ。」だった。

 お分かりだろうか。このお客様に、事前に希望金額を聞いてさえいれば、おそらく「きっと金額はつかないだろうから、少しでもついたらうれしいよ」などと言ってくれたに違いない。15万円も出さなくても、お客様は喜んでくれたはずなのだ。事前に希望金額を聞けていたら、どんなに商談を楽に進められたことかと思う。

 このように、買取や下取商談で、お客様に喜んでいただきながら適正な金額で仕入れるためには、希望金額を聞き出し、その希望金額を考慮して商談を進めることが重要だ。また、この希望金額の聞き出しは、商談の早い段階で聞き出せるほうが商談をスムーズに進めることができる。

買取や下取の商談が苦手な方は、ぜひ、意識して取り組んでいただきたい。

關友信

常務取締役 關 友信 Seki Tomonobu

損害保険会社の営業社員から独立しプロ代理店を経営、その後、自動車販売店での企業を目指し、直営店に入社する。販売店の現場で買取査定や販売業務を経験し、直営店の店長やエリア統括マネージャーとして活躍する。2006年に愛車広場カーリンクのチェーン展開を開始したのと同時に、カーリンク基礎研修の開発に着手、カーリンクチェーンの研修チームを統括する。その後も直営店の出張査定センターのマネジメントやディーラーコンサルティングなど、幅広く様々な仕事を経験、2014年からはCaSSの会員制度を立ち上げ、会員向けのサービスや企画を開発。

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