【堀越勝格の経営ノート】「マネジメント課題は「仕組み」で解決する
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【堀越勝格の経営ノート】「マネジメント課題は「仕組み」で解決する
決めたことが進まない、成果が出ない、すぐに元に戻ってしまう…どうも意識が低くて困っている…マネジメント上の
こうした「嘆き」はよく耳にするところです。
ところで、マネジメントの一つの手法に「PDCAサイクル:Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)」というものがあります。この概念は今ではかなり普及しているようですが、実務上しっかり機能しているかといえば、まだまだ疑問の残る組織も多いのではないでしょうか。
マネジメントはまず、「仕組みづくり」と「運用」の2つに分けて考えると理解が進みます。
「仕組みづくり」はまず、管理責任者が「欲しい情報」を「欲しい形」「欲しいタイミング」で「簡単に」入手できるよう、情報・データの取得方法や管理帳票の作成、管理のルールなど仕組みを作ることから始めます。ここではその具体的方法についての説明は割愛しますが、この「仕組みづくり」で重要なことは、「人はミスをするもの・怠けたいもの」という前提に立つ、ということです。これは、ITシステム開発でも用いられる考え方ですが、こう考えることで人為的ミスや抜け漏れ、あるいは怠慢などをマネジメントから排除でき、抜け漏れのない、しっかりとしたマネジメントの仕組み構築につながっていきます。
一方で組織は「人」で成り立っています。会社や上司に自分のことを「ミスをするだろう」「さぼるだろう」と思われるのは不本意でしょうし、それでは組織がギスギスしてしまいます。そこで、このマネジメントの仕組みを「運用」するときには真逆の考え方、すなわち、「彼は一生懸命にやっている、さぼらない、信頼している」という前提、いわゆる性善説に立つことで、働く人々が「信頼されている」という喜びややりがいをもって働くことにつながり、やがてはそれが組織の、会社の成果・成長につながっていくのです。
つまり、マネジメント上発生する問題を「意識の問題」として片づけるのではなく、まずは「仕組みの問題」だと認識し、仕組みを「人はミスをする・怠けたい」ものであるという前提で、それでも機能するように見直すことが先決です。その上で、性善説に立って運用を見直していく。この繰り返しが、組織のマネジメントレベルを高め、成果につなげる秘訣だと思うのです。
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