車検から始まる基盤代替
カテゴリ:キバン博士の基盤代替
車検から始まる基盤代替
基盤代替に携わって12年、キバン博士がお送りする基盤代替コラム。6回目の今回は「車検出庫時における車販啓蒙活動」がテーマです。
「キバン博士、代替発掘をするには車検の何ヶ月前にアプローチするのがベストですか?」
こんな質問をよく受けます。
この質問が出てくるということはお客様の反応があまり良くないのでしょうかね。
皆さんは代替を提案する一番いいタイミングはいつだと思います?
車検の3ヶ月前?6ヶ月前?それとも1年前?
もし次の車の希望が新車だと、納車まで時間がかかる場合があるので提案は早い方がいいですし、遅すぎると、競合に浮気される可能性もあります。
ですので提案のタイミングは、車検の6ヶ月位前が妥当でしょうか。
ただ、それはあくまでも、営業マンに提案の機会が与えられる前提での話です。
というのも「ベストなタイミングはいつ?」という発想は、魚のことを良く知らない釣り人が「大物はどこ!魚の大群はどこ!」という状態で、一本釣りをしようとしているのと変わらないように感じるのです。
車検は乗り替えに踏み出す大きなきっかけにはなりますが、お客様の事情がいつ変わるか、お客様の気持ちがいつ盛り上がるか法則なんてありません。
多少傾向がつかめたとしても、それは全体の1/3にも満たないはずです。
代替は必ずしも車検6ヶ月前と決まっているわけではないのです。
大事なのは、代替を考えるタイミングを探すのではなく、接触した時がベストなタイミングになるように仕掛けを作ることではないでしょうか。
一本釣りではなく、稚魚から育てる養殖です。
私の知っているある店舗は、車検後4ヶ月以内の自社代替(下取)であれば、車検整備費用の100%、車検後8ヶ月以内なら75%、車検後1年以内なら50%を査定額に上乗せする仕組みを作りました。
金額としては3~6万円程度になるかと思いますが、車検を通した店舗だからこそ提案できる特典です。
これを出庫時に説明することで、車検半年以内で乗り替えようと思ったお客様は声をかけてくれる確率が高まります。更に1年以内であれば50%上乗せ査定できることを1年以内の入庫時啓蒙のネタとしてフロントは活用しています。
自社代替が早まる確率が高まるのはもちろんですが、このような接触の一つ一つが代替への気持ちを育てることになります。
重ねて言いますが、基盤代替は一本釣りではなく、稚魚から育てる養殖です。
そして稚魚はご飯をあげたり、面倒を見て大切にしてあげなくては育ちません。
車検はすべてのお客様の車両をチェックできる、すべてのお客様とお話ができる2年に1度、必ず訪れる最大のチャンスです。
皆さんはこの最大のチャンスに向け、代替につながる稚魚を育てていますか?
自社で乗り替えるメリットをアピールできていますか?
基盤代替は車検から始まっています。
<作:キバン博士>