中古車ネット販売を科学する!「プライシング(1)」
成功への近道、それは他社に学ぶこと。
今回は縮小する市場のなかで、カーリンク直営3店舗が中古車販売台数を伸長させた事例をお伝えします。
中古車販売強化のポイント
昨今は、インターネットによる販売比率がどの販売店も高まってきていますが、活用次第でまだまだ伸び代があります。
ポイントは2つです。
- インターネットの活用による中古車販売台数増大
- アップセル、クロスセルによる中古車販売台粗利の向上
今回は「インターネットの活用」についてお話いたします。
「インターネットの上手な活用による中古車販売台数増大」
掲載品質について
ご近所から店頭に来店されたお客様でも、事前にインターネットでご希望の車を検索し、目星をつけられていることがほとんどです。
それだけ、インターネットによる車探しは当たり前になり、掲載の仕方で、お客様の来店が決まってしまいます。
インターネット販売において、まず重要なことは、「掲載内容の品質」です。
「写真の品質」「写真の枚数」「コメント」「店舗・スタッフ紹介ページ」など、購入検討されているお客様から見て、魅力的で信頼がおけそうな掲載ができていますでしょうか。
お客様は、掲載されている写真やコメントから、どのようなお店かを想像します。
信頼できそうか、長く付き合えそうか、いろいろ相談できそうか。
そして、インターネットにある少ない情報から、訪問するに値する店舗かを的確に判断されるのです。
掲載価格について
次にインターネット販売において重要なのは、ずばり「価格」です。
良いものを少しでもお得に購入したいというのは、すべてのお客様の希望です。
特にインターネットで検討される方は、そのことをよりシビアに考えていますので、同じような車種を並べて価格順に確認しています。
当然、他社の車よりも高額であれば、問い合わせや来店にはつながりません。
従って、検討されているお客様にとって魅力的な価格で掲載をすることが重要になります。
ここまでお話しすると、「そうはいっても仕入金額から考えると、これ以上安い価格にできない」と、おっしゃる方がたくさんいます。
しかし、お客様にお店の仕入金額は関係ありません。
掲載されている車両金額こそが重要なのです。
インターネットで販売するのであれば、結論としては、お客様が魅力的だと感じる価格まで掲載金額を下げることが必要になってきます。
具体的には、掲載期間中に金額を少しずつ下げ(3~7日間で3~5万円程度)、お問い合わせが一気に増加する価格を見極めます。
それが、お客様が求めている価格です。
この価格をいかに早く見つけるかがポイントとなります。
直営店舗では、このようにして販売台数を増やすことに成功しました。
さて、次回はそんな中でどのように中古車の台粗利を確保するかです。
お楽しみに!
小阪裕司 オラクルひと・しくみ研究所代表 博士(情報学)
山口大学(美学専攻)を卒業後、大手小売業、広告代理店を経て、1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。 新規事業企画・実現可能性検証など数々の大手企業プロジェクトを手掛ける。 また、「人の感性と行動」を軸にしたビジネス理論と実践手法を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。 現在、全都道府県と海外から約1500社が参加。 22年を超える活動で、価格競争をしない・立地や業種・規模を問わない1万数千件の成果実例を生み出している。