お客様がもっと買いたくなる” 商品創りの視点
ポイントは『松・竹・梅』
最近、焼肉店やしゃぶしゃぶ店の食べ放題コースを売りにしているお店が増えています。
このようなお店の商品構成は、だいたい3つのコースから選択できるようになっています。具体的には、次の3つです。
①少し物足りなさを感じるけど、価格がリーズナブルな『梅コース』
②梅コースよりも商品が充実し、価格も若干高い、バランス型の『竹コース』
③最も充実した商品だが価格が高い『松コース』
これは、次のような『人の消費行動パターン』に基づいて組まれた商品構成です。
①とにかく出費を安く、最低限のものがいい人
②あんまり高いのは必要ないけど、どうせならそれなりのものが欲しい人
③どうせお金を出すなら、1番良いものを買いたい人
このように『松竹梅』の3つの商品を用意すると、消費者は概ね次のような割合で商品を選択する傾向があります。
梅コース 2割
竹コース 6割
松コース 2割
人は、商品(サービス)内容と価格が、最適なバランスを選択する
また、次のような視点もあります。
『ゴルディロックス効果』という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これはいわゆる、『良い塩梅(あんばい)』ということです。
『梅では物足りないが、松は価格的に高い、梅の価格との差額から、真ん中の竹がもっともお得そうでバランス良く感じる』
そうしたことから、竹コースを最も『良い塩梅』と感じる傾向があるために、その商品を選択する割合が多い、ということもあるのです。
選択肢が多すぎると、逆に売れなくなる?
さらに人は、「選択肢が多くなればなるほど、『選択できなくなる』」という傾向があります。
これは、「自分に最適な1つに絞り込む作業」がより複雑かつ難しくなることが原因です。最も購買につながりやすい選択肢の数は、やはり、『松・竹・梅』の3種類くらいなんですね。
お得感を訴求する『パック商品』
ファストフード店には、ハンバーガー、ポテト、ドリンクがセットになっているお得なセット商品がありますよね。実際には同じ商品を単品で購入するよりも、値引き額自体は20円か30円くらいなのですが、感覚的な『お得感』は、実際の金額以上に感じる人が多いのです。
こうしたことから、消費者が買いやすく、買いたくなる商品創りのひとつのポイントは、『いくつかの商品やサービスを組み合わせたセット商品を、『松・竹・梅』の3種類用意する』ということになります。
このような商品創りを行うことで、『お得感』と『良い塩梅』の両方を消費者に訴求することができますので、うまく実践すれば、売上の向上に直結させることができます。
是非皆様も、このような視点で商品開発をしてみてはいかがでしょうか。
参考 『カーリンク新車販売パック』
カーリンクでは、新車をご検討中のお客様に、独自の新車パックを提案しております。基本的な考え方は先に述べた通り、『松・竹・梅』3つのパックの中から、お客様に最適なパックを選択いただけるようになっています。パックの種類は、次の3種類です。
①必要最低限のものだけ付いていればいい
『シンプルパック』
②基本的な装備は欲しい
『カーリンクパック』
③充実の装備が欲しい
『スペシャルパック』
カーリンクの新車販売パックも、結果的にはやはり、真ん中の『カーリンクパック』が、最もお客様からご支持をいただき、選ばれているのです。
カーリンク事業部長/シニアコンサルタント 長尾 剛典 Nagao Takenori
入社後、直営店でキャリアを積み上げ、出張買取業務、加盟店への出向支援業務等、多くの現場経験に積み、FC事業部に配属となる。委託販売、買取、小売りの最新のノウハウを保有し、業界情報や仕組みにも精通しており、成果創出への執着心は極めて高い。担当店舗での成果創出スピードは非常に速く、担当した加盟企業オーナー、スタッフからも高い評価を受けている。
★仕事のモットー 「全体を俯瞰し、物事を本質から捉える」