【川崎大輔の海外コラム】ハイレベル教育で第一線の活躍を!! 

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【川崎大輔の海外コラム】ハイレベル教育で第一線の活躍を!! 

滋賀トヨペット株式会社では、ベトナム人自動車整備エンジニアの採用を積極的に進めている。10名規模の外国人活用をしている同社が見出した成功のポイントと課題について、常務取締役総務部長の小澤氏に話を伺った。

外国人採用における成功のポイントは?

滋賀トヨペット株式会社(山中隆太郎社長、滋賀県大津市)は、技術・人文知識・国際業務(通称技人国:ぎじんこく)の在留資格をもつベトナム人エンジニアを10名ほど採用している。

この成功のポイントについて「まずは迷わず『厚遇』しました。甘やかすという意味ではなく、下宿費用や免許取得費用を負担するなど、一人前になるまでのできる限りの経済的支援をすることによって不安なく仕事をできる環境を整えました。また、既存の日本人社員を、ブラザーに指名するブラザー制度も外国人に適用するなど、育成の責任を与えることで指導・支援を進めてきました」(小澤氏)。「そして、人数が増えてきたのもいいことです。増えてきたことによって外国人スタッフの安心感が増したのは言うまでもありません」と言う。

外国人の採用で重要なのは『受け入れ体制』だ。滋賀トヨペットは新卒採用が減少するだろう将来を見越して、他者より一足先に外国人採用に動き始めた。そして、試行錯誤を繰り返し、受け入れ体制をスピーディに構築した結果、外国人が入社しやすい社内環境を創ることができた。

自動車整備士教育の実習風景

外国人は、外国人採用を未経験の企業に対する興味は低い傾向にある。外国人材は合理的な考えをしており、過去に外国人採用をしたことがない会社は今回も採用する可能性は低いのではないか、と考えるからだ。また、そうした会社は外国人を受け入れる社内の風土ができていないかもしれない、とも考えるのだ。受け入 れ体制が整っていない企業は警戒される。そのため、受け入れ体制を早期に構築することが優秀な外国人人材を惹きつける大きな要因となる。

ベトナムの市内に増えてきた自動車

外国人スタッフへの期待は?

「外国人スタッフには、日本に来たときのハングリー精神を持続し、勤勉・誠実といった姿勢を続けてもらいたいと思います。将来的には管理職を担ってもらえるようになって欲しいですね」(小澤氏)。また「いまは整備職が主体となっていますが、営業やフロントなどでも登用していきたいですね」と語る。

皆さまは「外国人を採用するかどうか?」という点について議論したことはあるだろうか。しかしその議論の前提には、もしかすると「門戸を開けば来てくれる」という考えがないだろうか。現実には、すでに優秀な外国人人材は「売り手市場」になってきており、「選ぶ」よりもむしろ「口説く」という姿勢が必要になってきている。そのためには、受け入れ企業自身が外国人を区別・差別することなく、外国人でも管理職になれる、幅広い活躍のフィールドを提供できる魅力的な体制を作っていくことが必要なのだ。

外国人との共存共栄の道

小澤氏は「偏見を持たず、まずは採用してみて、どうすれば彼らと共存し、お互いに喜びあえるのかを模索・探求する時代に来ていると確信しています。外国人の方々の活躍が日本人に対する刺激となり、お互いに成長することができるのではないかと期待します」と言う。

コロナ感染を抑止し、経済再生を図っていく中で、これからも優秀な外国人人材の確保は欠かせない。これからますます外国人人材獲得競争は激しくなり、また、少子高齢化などの課題先進国の道を進んでいくことは間違いない。日本は、少子高齢化によって労働者の不足だけでなく若者そのものの数が急減している。外国人を積極的に受け入れようとするなら、今のうちに行動しておく必要があるだろう。外国人が日本を選択しなくなる前に、業界として積極的な道筋をつけることが重要だと考える。外国人は単なる安い人手ではなく長期的な戦力として共存共栄の道を考えることが重要だ。

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