【小阪裕司コラム第253話】商売の要は●●と●●

【小阪裕司コラム第253話】商売の要は●●と●●

カテゴリ:小阪裕司の「人の心と行動の科学」で商売を学ぶ

【小阪裕司コラム第253話】商売の要は●●と●●

店頭でずっと売っている商品がある。近年は特に売るための手間もかけていないが、それでも売れてきた。その商品が急に売れなくなってきたとき、あなたならどう考えるだろうか?今回ご紹介するのは、ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員の、自家製漬物を販売するお店からのご報告だ。

この店にもそういう商品があった。売価数百円、夏限定の商品だ。当初は顧客に送るダイレクトメール(以下、DM)にも、この商品の価値やまつわるストーリーをいろいろ書くなど、買いたくなるはたらきかけをしていたが、最近は定番化していて、特に気にも留めていなかった。

そんななか、思うところあってここ近年の売上動向を確認してみると、一昨年は購入者数31人で販売個数61個、昨年は購入者数20人で販売個数43個と、かなり減っていた。いくらなんでもこれはひどい、と店主は考え、まずはこうなった原因を考えてみた。 以前は多くのお客さんが「買う」と行動していたのに今はしない。その原因を、店主は次の3つではないかと考えた。①お客さんが、「もう扱っていないのではないか」と思っている。②初めてのお客さんは現物を見たことがない。③単純に忘れている。

そこでまずは①の解決策として、DMで久しぶりに告知をしてみた。と言ってもその内容はたった1行「青とうがらしで作るから今だけの味。きゅうりにつけたら最高です。○○(商品名)」。次に、店頭の立て看板にも、この商品が入荷したことを表示。さらに②の解決策として、来店客の誰もが通るカウンター横に現物を置いたが、これは③の対策でもあった。 行ったことはたったこれだけだ。

しかし結果はどうなったかと言えば、購入者数100人、販売個数は235個に激増。実に5倍の結果となったのである。 この実践、行ったこと自体は、お読みいただいた通りシンプルだ。しかし深い学びがある。それは、売れていた商品が売れなくなったとき、このような視点から、このように思考できるかという点だ。多くの場合、「そろそろ飽きられてきた」「価格を下げないと」などと考えがち。

つまり原因を間違えてしまうのだ。それを間違えば、打つ手も間違ったものになる。その結果、問題は解決せず、またその原因を間違え…と悪循環になる。商売の要は、実は視点と思考なのである。

小阪裕司

小阪裕司 オラクルひと・しくみ研究所代表 博士(情報学)

山口大学(美学専攻)を卒業後、大手小売業、広告代理店を経て、1992年「オラクルひと・しくみ研究所」を設立。 新規事業企画・実現可能性検証など数々の大手企業プロジェクトを手掛ける。 また、「人の感性と行動」を軸にしたビジネス理論と実践手法を研究・開発し、2000年からその実践企業の会「ワクワク系マーケティング実践会」を主宰。 現在、全都道府県と海外から約1500社が参加。 22年を超える活動で、価格競争をしない・立地や業種・規模を問わない1万数千件の成果実例を生み出している。

おすすめの関連記事

【小阪裕司コラム第252話】数年でシェア15%アップの営業活動とは2

カテゴリ : 小阪裕司の「人の心と行動の科学」で商売を学ぶ

前回、ここ数年でシェアを15%も伸ばし、地域シェア70%を超えている葬儀社の、「喪家を大切にする」営業活動のお話をした。その具体的な取り組みは「1葬儀1工夫」。その一例として、ある葬儀では、通夜の席で、葬儀の当日が故人の...

【小阪裕司コラム第251話】数年でシェア15%アップの営業活動とは1

カテゴリ : 小阪裕司の「人の心と行動の科学」で商売を学ぶ

 今回は、ここ数年でシェアを15%も伸ばし、地域シェア70%を超えている葬儀社の、営業活動のお話。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手法を実践する企業とビジネスパーソンの会)会員か...

【小阪裕司コラム第250話】手書きPOPへの一工夫が2

カテゴリ : 小阪裕司の「人の心と行動の科学」で商売を学ぶ

 前回、通常の手書きPOP(店頭販促物)に一工夫加え「顔出しPOP」にしたところ、成果につながり、それが別の店の成果へとつながっていったリユース店の事例をお話しした。それはさらに、ワクワク系マーケティング実践会員の、文具...

【小阪裕司コラム第249話】手書きPOPへの一工夫が1

カテゴリ : 小阪裕司の「人の心と行動の科学」で商売を学ぶ

 今回は、手書きPOP(店頭販促物)のお話。通常の手書きPOPにある工夫を加えたら成果につながり、さらにその成果が次の成果を生んでいった事例だ。ワクワク系マーケティング実践会(このコラムでお伝えしている商売の理論と実践手...

会員制サービス
「CaSS
(Car-business Support Service/キャス)」
に関するお問い合わせ

お申し込み方法やサービス内容、その他ご不明な点などがございましたら、
お気軽にお問い合せください!

  • 03-5201-8080
  • お問い合わせフォーム